【ピッチング】アーム投げを矯正しよう!正しい投球フォームに改善する腕の使い方

【ピッチング】アーム投げを矯正しよう!正しい投球フォームに改善する腕の使い方

アーム投げ(アームスロー)とは、図1のように投球腕の肘と手を同時にスイングさせる投げ方です。

図1 アーム投げ(アームスロー)

体の小さい子供などはアーム投げになりがちであり、その癖が抜けないまま投げ続ける選手も多いです。

しかしアーム投げは肩の故障に繋がりやすいので、できるだけ早く矯正すべきです。

この記事では、以下のことに焦点を当てて解説したいと思います。

 

POINT

 アーム投げが悪い理由

 アーム投げになってしまう原因

 アーム投げの矯正方法

 

Advertisement

アーム投げが悪い理由

速いボール投げるためには投球腕のスイングスピードを加速させる必要があります。

この点に関して、アーム投げはスイングスピードが遅くなりがちな投げ方です。

理由は、以下の2つです。

< アームスローが悪い理由 >

・肩や肘より手を遅らせて投げるレートスローイングができず、体の捻り戻しを利用できないため。

・肘を曲げない(曲げが少ない)から、慣性モーメントが大きくなるため。

 

レートスローイングができない!

レートスローイングとは図2のように、投手の肩が開いている状態でも手が後ろに残っている投げ方です。

レートスローイングは肩→肘→手の順番で動き、最後に動く手に力が溜められた状態で投げますので、威力のあるボールを投げることが出来ます。

図2 レートスローイング

それに対しアーム投げは、図3のように肩と肘、ボールを握っている手が一本のアームのように投げる投法です。

投手の肩が開くと同時に手が出てきますので、全く溜めのない投げ方であり威力のあるボールを投げることが難しくなります。

図3 アーム投げ(アームスロー)

 

慣性モーメントが大きくなる

慣性モーメントとは以下の通りです。

< 慣性モーメント >

「回転のしにくさ」の程度を示す量のこと。

慣性モーメントが大きいほど物体は回転しにくく、慣性モーメントが小さいほど物体は回転しやすい。

慣性モーメントは回転半径が大きいほど大きくなる性質を持つ。

例えば、フィギュアスケートのスピンで腕を広げて回転する選手はいません。必ず腕を縮めて回転します。

腕を広げた場合、慣性モーメントが多くなり回転しにくくなるからです。逆に腕を縮めて慣性モーメントを小さくすると回転し易くなるのです。

ピッチングもこれと同じで、肩・肘・手と一本のアームのように投球腕をスイングすると慣性モーメントが大きくなりスイングスピードが上がらず、速い球が投げられないのです。

 

アーム投げになってしまう原因

アーム投げになってしまう人はテイクバックから間違っていることが多いです。

図4をご覧下さい。これはテイクバックで投球腕を外捻しています。

図4 テイクバックで外捻した悪い例

外捻と内捻

 

 外捻とは?

 

外捻とは外側に捻る動作のことを言います。図5は腕の外捻を示しており、手のひらを空の方へ向ける動作になります。

図5 外捻

 

 内捻とは?

 

内捻とは内側に捻る動作のことを言います。図6は腕の内捻を示しており、手のひらを地面に向ける動作になります。

 

図6 内捻

図4のように、テイクバックで投球腕を外捻させてしまい、その状態でボールを上に引き上げると、背筋の収縮が十分でないため、肩や腰を回したときにボールを握っている手が早く出てしまいます。

その結果、アーム投げになってしまいます。野球初心者によくある投げ方ですね。

テイクバックでは投球腕および、グラブをはめている腕も内捻することが重要です。

 

図7はテイクバックで腕の内捻が弱く、ボールを握っている手を後ろに引いてしまっている例です。

1→2でボールを握っている手を後ろに引き、ボールを担いでいます。そして3→4→5と肘をたたむことなく投球腕をスイングし、6のリリースを迎えていますね。

図7 アーム投げの腕の使い方

これも立派なアーム投げですが、背筋の収縮が弱く、慣性モーメントも大きくなってしまいます。これでは投球腕のスイングスピードを上げることができません。

この原因は肘を含む腕の使い方にあります。

2→3でしっかりと投球腕の肘をたたみ、肘を斜め上に突き出さなくてはいけません。

 

さらに腕の使い方として、テイクバックで内捻した両腕の肘を体の背面に奥深く突き出していないことも悪い点です。

両腕の肘を体の背面に奥深く突き出せば背筋はより収縮されます。収縮を緩める時間が、腰と肩を回したときのタイミングとボールを握っている手が出てくる時間的なズレを生じさせ、その結果レートスローイングができるのです。

このレートスローイングができると腕がしなった投げ方になるのです。

Advertisement

アーム投げでレートスローイングはするな!

テイクバックで外捻し、アーム投げのような状態でレートスローイングができないわけではありません。中にはそのような投げ方で速いボールを投げる選手もいますし、過去にも沢山いました。

アーム状態になった投球腕を我慢して遅らせて投げれば、それなりのレートスローイングになります。

しかし以下のデメリットがありますので、できるだけ避けて欲しいと思います。

・投球腕の慣性モーメントが大きくなっていることには変わりなく、投球腕のスイングスピードを上げにくい

・腰と肩が回ったとき、アーム状態の投球腕を引っ張ることになり、その付け根である肩に負担がかかる

・ボールを握っている手を始動させる投げ方なので、ランナーを背負うと急いで手投げになり易い

 

アーム投げの矯正方法

アーム投げを矯正するには、以下のことを意識します。

①テイクバックで両腕を内捻し、肘を体の背面に奥深く突き出す

②投球腕の肘を曲げ、ボールを握った手を肩に近づける

③肘から腕を振り出し、肘をしっかり伸ばす

 

①に関しては以下の記事に詳しく解説していますので割愛します。

 

 

図8は正しい投げ方です。

図7 正しい投げ方

1のテイクバックでしっかり腕を内捻し、2~5にかけてしっかり肘を体の背面に奥深く突き出しています。

6で投球腕の肘を曲げ、ボールを握った手を肩に近づけています。

7~9で肘から腕を振り出しており、10のリリースでしっかりと肘をまっすぐ伸ばしています。

 

この投げ方の場合、テイクバックで背筋を収縮させていますし、投球腕の肘を曲げることにより慣性モーメントを小さくしています。それは投球腕のスイングスピード上昇に寄与します。

さらにアーム投げには無いメリットもあるんです!

6で投球腕の肘を曲げると同時に、上腕二頭筋(力こぶ)および三角筋(肩関節を覆う筋肉)が収縮されます。

7~9で肘から振り出したとき、これらの筋収縮を一気に解き放つことによって投球腕のスイングを加速させることができるのです。

 

まとめ

アーム投げは速いボールを投げられないだけでなく、肩の故障に繋がりやすいですので、できるだけ矯正する必要があります。

そのために、この記事で解説した正しい投げ方で投げることが一番の矯正方法なのです。

投げ方については肩の可動範囲など個人差もありますが、正しい投げ方を知ることによって、鍛える筋肉や鍛え方も分かってくるので、より質の高い練習ができるようになるはずです。

 

投球カテゴリの最新記事