あなたは何気なくバットを握っていませんか?
バットの握り方なんて違いがあるの?
と思う人もいるかもしれませんが、多くの人は自然に『フィンガーグリップ』か『パームグリップ』と呼ばれる握り方をしてバットを振ります。
これらはどちらでも良いわけではなく、フィンガーグリップでバットを握った方がより打球が速くなり、その結果飛距離も伸びるのです。
この記事では、
- フィンガーグリップとパームグリップの握り方の違い
- 打者にとってフィンガーグリップの方が有利な理由
- なぜパームグリップが打者にとって不利なのか?
などを解説します。
今まで無意識にバットを握っていた人は知っておいて損は無いと思いますよ。
フィンガーグリップとパームグリップ
まずフィンガーグリップとパームグリップについて説明します。
ここで言う ”バットの握り方” とは捕手側の手(右打者の右手、左打者の左手)の使い方を指しています。
フィンガーグリップ
図1 フィンガーグリップ
図1のように、捕手側の手である右手(右打者)の親指を除く4本の指の付け根にバットをあてがって握る方法をフィンガーグリップと言います。
無意識でバットを握った場合、バットを立てて構える選手は自然とこの握り方になる場合が多いです。
パームグリップ
図2 パームグリップ
図2のように、捕手側の手である右手(右打者)の親指と人差し指との間にある ”指間水かき” と呼ばれる柔らかい部分にバットをあてがって握る方法をパームグリップと言います。
無意識でバットを握った場合、バットを寝かせて構える選手は自然とこの握り方になる場合が多いです。
パームグリップの2つのデメリット
フィンガーグリップのメリットを説明する前にパームグリップのデメリットを説明します。
デメリット1 加撃力が低下する
パームグリップは親指と人差し指との間にある ”指間水かき” と呼ばれる柔らかい部分にバットをあてがって握りますので、ボールをインパクトした瞬間に柔らかい指間水かきがクッションとなってしまいます。
そのため図3のように、バットの加速方向とは反対の力が発生してしまい加撃力が減ってしまいます。
バットスイングの加撃力が低下すれば、その分打球速度は遅くなり飛距離も低下して当然です。
図3 パームグリップのデメリット
デメリット2 怪我をしやすい
パームグリップの場合、バットの芯を外して打ったときに親指の付け根を傷める可能性があるのです。
これは硬式野球を経験した人ならイメージしやすいと思います。
親指の付け根を傷めると投手なら致命的ですし、捕手や野手でも厄介な怪我となりますので、できるだけ避けてほしいですね。
フィンガーグリップのメリット
フィンガーグリップのメリットは、パームグリップで説明したデメリットが無いということです。
フィンガーグリップは親指を除く4本の指の付け根にバットをあてがって握りますので、指間水かきがクッションとなって加撃力が減衰することもありません。
さらに親指の付け根を傷めるリスクも大幅に減らせますから、絶対にフィンガーグリプでバットを握るべきです。
バッティングな苦手な選手と握り方の関係
バッティングが苦手な選手ほど損なバットの握り方であるパームグリップである傾向が強くなります。
これは ”パームグリップが打撃力低下を招いている" というより、”打撃力が低い選手ほどパームグリップをしてしまう” といえます。
なぜなら野球界には間違ったバッティング指導が蔓延っているからです。
昔から『打者にとって大事な手(腕)はどっち?』という議論があり、一昔前は『打者にとって大切なのは投手側の手や腕(右打者の左手、左打者の右手)だ!』といわれることが多かったのです。
そんな風潮が強くなると、『捕手側の手(右打者の右手、左打者の左手)は添えているだけでよい』という間違った指導方法が主流になりました(今もそうかもしれませんが)。
捕手側の手を添えるようにバットを握れば、自然とパームグリップになるのは当然のことです。
バッティングに課題のある選手ほど監督・コーチから具体的な指導を受ける機会が多くなりますので、捕手側の手や腕の使い方を身につけられず、かつパームグリップになってしまうという負のサイクルに陥ってしまうのです。
もしあなたがパームグリップでバットを握っていたら、今すぐフィンガーグリップに変えるべきですし、捕手側の腕の使い方を見直す良い機会になるかもしれませんよ。