打者にとってバット選びは超重要です!
自分に合ったバットを選ばないと気持ち良くスイングできませんし、微妙な違和感が繊細なバットコントロールを阻害する原因になりかねませんからね。
この記事ではバット選びのコツについて解説したいと思います。
バットの重さと長さ
バットは重ければ重いほど、また長ければ長いほど打者にとって有利になります。
とは言っても、使いこなせることが条件になりますが。
重いバットを使ってスイングスピードが遅くなっては意味がありませんし、長いバットを使ってインコースに全く対応できないのも困りものです。
振り遅れないことを優先させるのか、打球の飛び方を優先させるのかは選手次第となります。少なくとも楽にスイングできる重さ・長さのバットを選びましょう。
バットのスイングバランス
スイングバランスとは、バットを振った時に体感する重さのことです。バットそのものの重さとは違いますので注意しましょう。
このスイングバランスは、グリップエンド部分とヘッド部分の質量配分の違いで決まり、「トップバランス」「ミドルバランス」「カウンターバランス」に分けられます。
一般的に、スラッガータイプはトップバランスを好み、ミート重視のタイプはミドルバランスおよびカウンターバランスを好む傾向にありますが、決まりがあるわけではありません。
ぶっちゃけフィーリングで選んで大丈夫、と言うか自分の感性を信じて選ぶべきです。
ミート重視タイプの打者だからと言って無理にカウンターバランスを使う必要などありませんし、スラッガータイプの打者だからと言ってトップバランスを使わなければならないこともないのです。
ひとこと
ちなみに、私は高校・大学でほぼ4番・5番を任されていましたが、トップバランスが好みでした。
もし仮に、私より打力のある選手がチームに多数いて、私が2番や下位の打順だったとしてもカウンターバランスを使うことはなかったでしょう。
もちろん2番を任されれば送りバントやケースバッティングをしますが、フィーリングの合わないバットを使って自分のパフォーマンスを低下させることは絶対に避けたいですからね。
トップバランス
図1 トップバランス
トップバランスとは、バットのヘッド部分に質量配分したものです。ヘッドの効いたスイングをしたい選手に適しています。
実際の質量より重く感じますが、それがメリットになるかデメリットになるかは使い手次第。
ミドルバランス
図2 ミドルバランス
ミドルバランスとは、バットの中央に質量配分したものです。
どんなタイプの打者でも扱いやすいタイプですね。
カウンターバランス
図3 カウンターバランス
カウンターバランスとは、バットのグリップエンド側に質量配分したものです。
実際の質量より軽く感じ、楽にスイングできるタイプです。ヘッドの重さを感じられないので、ヘッドを効かしたい選手には適しません。
バットのグリップ形状
打者がバットの直接触れるグリップ形状にも様々な種類があります。
グリップが細目のバットはトップバランスが多く、グリップが太めのバットばミドルバランス・カウンターバランスが多くなります。
グリップの細目・太目と言っても、実際はわずか数mmの違いでしかありません。ぱっと見では判断できないレベルですが、振った感触は全然違います。
また、グリップエンドのサイズやテーパー形状もバットによって違います。
この辺は完全に好みの問題ですが、バットに直接触れる部分ですのでフィーリングの合うバットを選ぶべきです。手のサイズも人それぞれ違いますしね。
最低限、強すぎず緩すぎないグリップを選んだ方が無難です。細すぎるグリップは手に力が入りがちになりますし、太すぎるグリップは手に力が入りにくくなりますからね。
バットの打感
バットの打感とは打った時に感じる感触のことです。
これがバット選びの中で最も難しいポイントとなります。チームにあるバットを選ぶ場合ならともかく、新しくバットを買う場合は実際にボールを打つわけにいきませんので選びようがないですからね。
金属バットの打感としては、
- ボールを弾き返すような感触(バットが固い)
- ボールが吸い付くような感触(バットが柔らかい)
があります。
個人的には「ボールを弾き返すような感触」は苦手で、「ボールが吸い付くような感触」が好きでした。
たとえ自分が買ったバットでも「ボールを弾き返すような感触」のバットはほとんど使いませんでしたし。
バット選びのコツ
ここまで、
- バットの重さと長さ
- バットのスイングバランス
- バットのグリップ形状
- バットの打感
について説明してきましたが、何を優先して選ぶべきでしょうか?
完全カスタムが可能であれば理想的なバットを作ってもらえばよいですが、一般的にはそうはいきませんからね。
まず重視しなくてはならないポイントは、「バットの重さと長さ」です。
これは選手のスイングの仕方と振る力によって決まる要素であり、適切なものを選ばなくてはいけません。
選ぶコツとしては、スイングスピードが落ちないギリギリの重さがベストです。
バットの長さに関してはインコースとアウトコースに対するアプローチ方法によって変わりますが、少なくとも外角のストライクゾーンを芯で捉えられる長さは絶対に必要です。
それ以外の「バットのスイングバランス」「バットのグリップ形状」「バットの打感」に関してはフィーリングで決めましょう。
どれを優先するかも自由ですが、ある程度野球をやっている人なら自然と優先事項は決まってくると思います。
ちなみに私の場合、
打感 > グリップ形状 > スイングバランス
という順番でバットを選んでいました。
打感を最優先していた理由は、「ボールが吸い付くような感触」のバットを使うとバッティングの調子を認識しやすかったからです。
真芯の近くで捉えたほどボールが吸い付く感じがするので、バットのどの位置で捉えたか分かりやすいんですよね。
また、ボールが吸い付くほど芯で捉えたのに意外と打球が伸びないことがあり、こんなときは大抵バッティングが微妙に狂い始めているのですが、それを素早く感じられるメリットもあります。
例えばセンター前にクリーンヒットを打った場合、周囲の人はバッティングが狂っているなど微塵も感じませんが、打っている本人は
なぜ、あのタイミングで捉えた打球がセンターライナーにならないの?
と腑に落ちないことがあるんですよ。
タイミングがバッチリ合っているように見えて、実は身体の使い方のタイミングはずれており、ただ単にボールとバットのタイミングが合っているだけ、というケースもあるのです。
このような情報を教えてくれるバットは打者にとって非常に助かりますので、私は打感の良さを最優先にバットを選んでいました。
バットを選ぶ時間帯にも気をつけよう
チームにあるバットを選ぶ場合はいいのですが、新たに買うバットを選ぶ場合は時間帯に注意して下さい。
人間の手は朝ほどむくんでいますので、朝早い時間帯にバットを選ぶべきではありません。
新たに買うバットを選ぶ場合は、手の感覚が正常な昼過ぎ以降をおすすめします。
まとめ
この記事では、バット選びのコツについて解説しました。
野球経験を積んでいくほどバットへのこだわりが強くなりますので、理想的なバットを見つけることが難しくなります。
そう考えると、ある程度の妥協が必要になることもありますが、何を重視してバットを選ぶのか意識することで、それなりに納得できるバットに出会える可能性が高くなると思いますよ。