【野球】素振りの目的は3つある!意味のある素振りでバッティング上達の効果を上げる方法!

【野球】素振りの目的は3つある!意味のある素振りでバッティング上達の効果を上げる方法!

バッティングが上達する過程において、素振りは大切な練習のひとつです。

しかし、

素振りをやっているのに打てるようにならない・・・

素振りって意味あるの?

と疑問・疑念を抱く人もいるのではないでしょうか?

この記事ではそのような方のために、素振りの目的バッティング上達の効果を上げる素振りの方法について解説します。

素振りの目的を理解すると、バッティングが上達する人とそうでない人の違いが分かると思いますよ。

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素振りの目的

素振りの目的は大きく分けて3つあります。ここではそれらを説明します。

【目的1】バットを振る力をつける

バットを振り切るためにはそれ相応の筋力が必要になりますので、その筋力をつける目的で行う素振りです。

バットを振り切ることができないとスイングスピードが速くならず、打てなくて当然ですからね。

ちなみに高校野球では900g以下の金属バット使用が禁止されており(2001年~)、最低でもこの重さに負けないスイングをしなければならないのです。

この素振りの注意点としては、下記『目的2 打撃動作の習得』『目的3 打撃動作の再現性を高める』でやる素振りに付随するものであり、バットを振る力をつける目的だけで素振りをやっても効果があまり無いことです。

簡単に言えば、『ただ闇雲に素振りをやっても意味はない!』ということですね。

【目的2】打撃動作の習得

構築した打撃理論を体現する目的で行うやる素振りです。

打撃理論を構築しない(できない)場合でも、お気に入りのプロ野球選手を模倣することもあります。

いずれにしても、選手が思い描くスイングを出来るようになるためにやる素振りですね。

【目的3】打撃動作の再現性を高める

試合やシートバッティング・フリーバッティングなど、実際にボールを良い感じで打てた場合、今後もその確率を高める目的で行う素振りです。

実戦で良い打ち方ができても、その確率が低ければ本当に身についているとは言えません。

どんな状況でもどんなコースでも、理想的なスイングができるようになるためにやる素振りですね。

 

バッティングが上達する人の練習過程と素振りの関係

図1 バッティングが上達する人の練習過程と素振りの関係

図1はバッティングが上達する人の練習過程と素振りの関係を示したものです。

打撃理論を構築した後、それを習得するために素振りを行います(素振り目的2)。この素振りは ”バットを振る力をつける素振り(素振り目的1)” も兼ねています。

ある程度習得したら実戦で試し、その結果によって次へのステップが変わります。

  • イメージ通りの打撃動作ができていない場合

打撃動作の習得ができていないので、習得できるよう素振りを行います(素振り目的2)。

  • イメージ通りの打撃動作はできているが結果がでない場合

打撃理論に間違いがある可能性があるので、打撃理論を再構築する。

  • イメージ通りの打撃動作ができて結果も良好な場合

打撃動作の再現性を高めるため、さらに繰り返し素振りを行う(素振り目的3)。

『打撃動作の再現性を高める』とは、意識せずともできるようになることを意味します。

意識しなければできないこと=チェックポイントになるわけですが、このチェックポイントが少なければ少ないほど安定的なバッティングができますからね。

もちろん、この素振りも ”バットを振る力をつける素振り(素振り目的1)” を兼ねていますから、スイングに安定感が生まれるだけでなく、やればやるほどスイングに必要な筋力がつき、その結果スイングスピードが速くなります。

そしてこのプロセスは理想的な打者になるまでは終わりは無く、好不調を交えながら野球選手を辞めるまで続くのです。

プロ野球で偉大な成績を残した人でも『素振りは大切だ!』と言うのはこのためなのです。

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バッティングが上達しない人の練習過程と素振りの関係

図2 バッティングが上達しない人の練習過程と素振りの関係

図2はバッティングが上達しない人の練習過程と素振りの関係を示したものです。

バッティングが上達する人とは異なり、打撃動作の再現性を高める素振りと打撃理論へのフィードバックがありません。

これには色々なパターンがあります。

  • イメージした打撃動作ができているつもりだが、実際はできていない(客観的評価の不足)
  • 打撃理論を疑わない(思考停止)
  • イメージした打撃動作ができない理由を考えない(思考停止)
  • 実戦でそれなりに打てるようになるが、それで満足してしまう(努力量不足)

それぞれについて、もう少し詳しく説明します。

イメージした打撃動作ができているつもりだが、実際はできていない(客観的評価の不足)

人間の感覚は曖昧なもので、自分ができているつもりでも実際はできていないことがよくあります。

このとき、できる・できないは大した問題ではなく、何ができていて何ができていないかを正しく認識できるかどうかが問題なのです。

できていないことを『できている』と勘違いしてしまうと、自分が抱えている問題点や修正点に気付きませんので、いくら素振りをやっても効果がでません。

それどころか間違った打撃動作が癖になってしまうリスクも抱えてしまいます。

 ひとこと

 

打撃動作を客観的に評価するためには動画撮影が有効です。

 

昔は自分の打撃動作を動画(ビデオ)で見る機会などほどんどありませんでしたので、監督やコーチ、チームメイトの助言を頼りにするしかなかったのですが、今はスマホ等で容易に動画撮影ができますので積極的に利用すべきです。

 

ちなみに、私がはじめて自分の打撃動作を見たのが高校野球でのTV中継です。

 

バッティングには自信があったので『さぞカッコいい打ち方なんだろうな~』と思っていたら、目を覆いたくなるフォームで愕然としたことを覚えています(笑)

 

それほど実際の動作と人の感覚はズレているのです。

 

打撃理論を疑わない(思考停止)

監督やコーチに教わった打撃理論や、これまで常識だと言われてきた打撃理論を正しいと信じ込み、全く疑いを持たないタイプが陥りやすいパターンです。

こういった人に限って、

言われたとおりにやっているのに打てない。だから自分にはバッティングセンスが無いんだ・・・

なんてことを言いがちです。

しかし、それは目の前にある現実からの逃げであり、単なる思考停止なんですよね。

確かに打撃理論構築まで遡ることは、野球選手にとっては辛い過程です。

もしかすると根本からバッティングスタイルを変える必要に迫られるかもしれませんし、時間的な猶予がない場合もあるでしょう。

私も現役時代、そういった過程をたどって遠回りした経験がありますから、その辛さは痛いほど分かっています。

しかし、打者として高みを目指すなら絶対避けてはならない過程なんですよね。

バッティングが上達しないのは必ずどこかに原因がある。

教わった打撃理論どおりの打撃動作が出来るのにかかわらず結果がでないなら、真っ先に打撃理論を見直すのは当然のことなのです。

イメージした打撃動作ができない理由を考えない(思考停止)

頭にイメージした打撃動作がなかなか身につかない…これは野球選手だけでなくスポーツ選手全員が通る道です。

打撃理論を疑わない人同様、

自分にはセンスが無いから仕方がない・・・

と諦めてしまう人が多いです。

では、どうしてイメージした理想的な打撃動作ができないのでしょうか?

ゆっくりスイングしても出来ないのでしょうか?

それならば、打撃理論が間違っているかもしれません。

ゆっくりスイングしたり普通にスイングすればできるが、実戦になるとできない場合、それは単に身についていない=素振りの量が全然足りないことが原因でしょう。

いずれにしても、できないことには必ず原因があります。その原因を突き止める努力を怠ることは、思考停止そのものです。

実戦でそれなりに打てるようになるが、それで満足してしまう(努力量不足)

せっかくそれなりに打てるようになったのに、そこから打撃動作の再現性を高める素振りをしない選手もいます。

向上心が無く現状に満足してしまうことが原因ですが、本当に勿体無いです。

そういった選手に限って、ちょっと打てなくなると

俺、今スランプだわ~

なんて言ったりしますが、ハッキリ言ってそれは技術不足。安定して発揮できない技術など『身についていない』と同義なんですよね。

いずれにしても、ここからの素振りは自分自身が決めてやることですから、本人次第ということになります。

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バッティング上達の効果を上げる素振りの方法

図1 バッティングが上達する人の練習過程と素振りの関係

バッティング上達の効果を上げるには、図1のように『打撃動作の習得』『打撃動作の再現性を高める』ための素振りを意識してやることです。

まず『打撃動作の習得』を目的とした素振りでは、イメージしたスイングができているかどうかをチェックしつつ、1回1回確かめるようにバットを振りましょう。

イメージしたスイングができるようになったら実戦(フリーバッティングなど)で試し、次へのステップ(打撃動作の習得を目的とした素振り)へ進むのか、『打撃動作の習得』を目的とした素振りが足りないなのかを判断します。

また、イメージしたスイングができているのに関わらず手ごたえを感じない(イメージした打球が飛ばない)場合、打撃理論が間違っている可能性が高いので、今一度打撃理論を見直す必要があるかもしれません。

いずれにしても、この練習過程のループからいかに早く脱出するかが重要ですので、体だけでなく頭もフルに使って頑張りましょう。

 

手ごたえを感じたら『打撃動作の再現性を高める』ための素振りに移行します。

ここでは、意識しなくても出来ること意識しなくてはできないことを明確にするとともに、意識しなくてはできないこと(=チェックポイント)をいかに減らせるかが重要になってきます。

チェックポイントが減れば、その分負担が減りますし、

残ったチェックポイントさえ気をつければ打てるんだ!

と自信を持って打席に入れ、バッティングに安定感が増してきますからね。

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まとめ

打者にとって素振りは大切な練習のひとつです。

しかしながら、何のために素振りをやるのかを知らずに、ただ闇雲にバットを振っても打てるようにはなりません。

よく、

集中してバットを振ることが大切だ!

と言う指導者もいますが、そんな精神的アドバイスなど何の役にも立ちません。

そもそも、素振りで適当にバットを振る人なんていますか?

ほとんどの野球選手は必死でバットを振っており、それでも打てるようにならないから苦しんでいるのです。

理想的な打者とは、適当に振ってもイメージしたスイングが出来る打者=体が勝手に動く打者であり、集中しなくてはできないことなど身についていないと同じことなのです。

素振りの回数についても同じ。

1日10回だろうが100回だろうが関係ありません。回数が目的ではなく、自分のイメージしたスイングができることが目的ですから、それが達成できる回数でいいんです!

素振りの目的を理解すればやるべき内容が明確になりますので、必ずバッティング上達に役立つはずです。

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