以前の記事で『右打者の左腕は自然に使うこと!』を解説しました。それに対して右腕はどうでしょうか?
右打者にとって右腕は、フォワードスイングをさらに加速させる役割があります。フォワードスイングを加速させられば、強い打球が打てることになります。
ポイントは、『右肘の抜き』であり、左腕と異なり意識的に使う必要がります。
この記事では、右打者がやるべき右腕の使い方、左打者がやるべき左腕の使い方について詳しく解説します。
右腕の使い方=右肘の抜き方
右肘の抜きとは、フォワードスイングの際に右肘が体を横切ることを言います。右肘の抜きができていないと、手でバットを振り出していることになりますから、手打ちになってしまいます。
右肘の抜き方ですが、バットのヘッドを残しつつ、右肘を先行させるように抜くことがコツになります。
写真①
写真①をご覧下さい。バットのヘッドより右肘が先行している例です。
右肘をバットのヘッドより先に抜くということは、ヘッドが後ろに残っている=溜められていることになります。
すなわち右肘を先に抜くことによりヘッドが溜められて、フォワードスイングをさらに加速させることができるのです。
フォワードスイングでは、バットのヘッドより右肘を先行させて抜く!
右肘を抜くコツは右手をコックさせること
右打者が右肘を抜く動作を難しいと感じる方も多いと思いますが、コツを覚えれば難しくありませんから安心して下さい。
ポイントは右手をコックさせておくことです。
『コック』とはゴルフでは、よく使われる単語であり、コックの反対語に『アンコック』があります(図1参照)。
『コック』とは親指の方へ手を曲げる動き
『アンコック』とは手刀の方へ手を曲げる動き
図1
ヘッドを残した状態で右肘を抜くことは、バットを体に巻きつける動作です。体にバットを巻きつけるには、バットに角度をつける必要がありますが、右手をコックしておけば簡単に実現します。
右手をコックしたまま右肘を突き出すように動かせば、ヘッドを残したまま右肘を抜くことができるのです。
その後はヘッドを加速させるために、畳んである右腕を伸ばすように動かし、最後に右手のコックを解除すれば良いのです。
ヘッドを残しつつ右肘を抜くためには、右手をコックさせること!
ひとこと
最後に右手のコックを解除するとき、絶対に右手をアンコックさせてはいけません。
右手をアンコックさせると、インパクトの衝撃を手首で受けてしまい、強い打球が打てなくなります。この詳しい解説は以下の記事にかいてありますので、どうぞご参考に。
インパクトで両腕を伸ばしきるな!
インパクトの瞬間、両腕が伸びきってはいけません!
インパクトでは右腕を伸ばすことができる余裕が必要で、両腕が伸びきるのはフォロースルーのときなんです。
だからこそ良いフォロースルーは大きく感じるんです。
この説明は、上記のリンク記事 インパクトの衝撃に打ち勝つ手首の使い方!簡単にマスターできるコツを徹底図解! で詳しく解説していますが、少しだけ触れておこうと思います。
インパクトの瞬間に両腕を伸ばしてしまうと、右手が『アンコック』してしまい、その結果『インパクトの衝撃に負けやすい打ち方』になるのです。
右手がアンコックしてしまうと手首が支点になってしまい、インパクトの衝撃を手首で受けてしまうことが原因です。
理想的な三角形?全然違います!
バッティングの三角形とは、フォワードスイングで作られる両腕と胸を辺とした三角形のことです。
『インパクトの瞬間にこの三角形が出来上がることが理想だ!』と言う人がいますが、全然間違っていますからね!
本来、三角形はフォロースルーのときに出来るものであって、インパクトの瞬間にできるものではないんです。
こういった間違った考え方を信じてしまうと、インパクトの瞬間に左腕が伸びるようにしますから、左脇が空いてしまいます。
さらに、その左腕が先に進んでいるため、右腕もそれに合わせるため伸ばし、三角形が完成します。
ところが、このインパクトで右手がアンコックせず打てるポイントなんて、ほとんどありません。
ちょっとタイミングをずらされたら、右手首をアンコックしてボールとバットの距離を縮めようとするんです。
このように、インパクトの瞬間にバッティングの三角形を作ろうとすると、必然的に右手をアンコックして打つ機会が増えてしまいます。
その結果、強い打球が打てず・変化球にも弱い打者になってしまうのです。
まとめ
バッティング議論になると、『右打者にとって大切なのは左腕だ!』とか、反対に『右腕だ!』のような論調になることが多いです。
実際はどちらが大切ということではなく、どちらも役割があり、それぞれ使い方が違うのです。
これまで説明したことを以下にまとめます。
- 右打者は右肘をしっかり抜くこと!
- 右肘はヘッドより先行させて抜くこと!
- 右肘を抜くためには右手をコックさせること!
- 本当の三角形はフォロースルーのときに出来るもの!