「使えない球種」を有効活用する配球例

「使えない球種」を有効活用する配球例

投げられる球種と試合に通用する球種は違う

投手も人それぞれで、投げられる球種も様々です。しかし、

・投げられる球種

・試合で通用する球種

は全然違います。

投手は誰でも球種を増やしたがります。自分の武器が増えるわけですから当然ですね。

少し練習すれば『投げられる球種』は簡単に増えることはあります。しかし『試合で通用する球種』となると、そう上手くはいきません。

投手は多かれ少なかれ、このような『試合では使えないが、投げることが出来る球種』を持っているものです。

 

使えない球種も配球に役立つ!

私の経験上『フォークボール』に代表される『落ちるボール』を投げたがる投手は非常に多かったです。

しかし落差が無かったり、制球力が無かったりして、結果的に『使えない球種』になることがよくありました。

では、こういう球種を試合で全く使わないかというと、そうではありません。

 

相手チームには『使えない球種』ということは、初見では分かりませんからね。それを利用するんです。

以下に、その考え方と具体的な配球例をご紹介したいと思います。

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使えない球種の具体的な配球例

1番打者~3番打者はチームの中でも打撃能力が高いだけでなく、選球眼が良く、相手投手の能力を見抜く力を持っていることが多いです。

それらの打者のときに『使えない球種』を使うのです。それも初回に。

 

例えば、『使えない球種=フォークボール』だとします。

相手がこちらの手の内を探っているときに『あえてフォークボール』を使う方法

・初回、1番打者を0ボール2ストライクに追いんだとする。

・その後、早速フォークボールを使う。

・三振を奪う目的ではなので、別に三振にとれなくても良い。

たったこれだけです。『フォークボールがあるぞ』と相手に思わせることが出来れば十分です。

 

1番打者などは、ベンチに帰れば打席で見てきた球種を仲間に伝えることが多いので、相手チーム全員に知ってもらえます。

そして、相手チームは追い込まれたらフォークボールに注意しよう!と勝手に思ってくれます。でも、こちらは最初から使う気などないんです。

こちらの目的は『相手に選択肢を増やす状況を作る』ことです。

相手が選択肢を増やせば、その分だけ狙い球を絞り辛くなりますからね。

 

このように、配球に組み入れることが出来ない『使えない球種』も使い方によっては役に立ちます。

特に、このような使い方は特効薬的な効果はありませんが、使ってもリスクがほとんどありません。

試合を少しでも優位に進める道具になりうりますので、機会があれば使ってみてはいかがでしょうか。

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