速いストレートを投げる投手と対戦する場合、あなたならどうしますか?
普段対戦している投手より、あきらかに速いボールを投げる投手だったら?
バットを短く持つ!
と答える人は、結構多いんじゃないですかね。
でも、安易にバットを短く持つことはおススメいたしません。
もちろん全くダメという訳ではありません。ちゃんと条件を満たしていれば問題はありませんからね。
今回の記事では、バットを短く持つことについてお話したいと思います。
見ているのは相手?自分のベンチ?
率直に言いますが、速いボールを投げる投手に対してバットを短く持ち、
何とかしようとしている姿勢を見せよう・・・
と思ってやっているのなら、全く無意味です。
これは『自分のベンチを見て野球をやっている』ことなんですよ。
そして、選手がそのような考えを持ってしまうような指導をする指導者も悪い。
選手がいつも通りバットを長く持ち、何度も何度も空振りしている姿を見て、
お前はバカか?頭を使って野球しろ!!!
なんてことを言う指導者は案外多いものです。
暗にバットを短く持つことを強要させているんですね。選手もそれを理解しているから、罵倒される前に空気を読んで、バットを短く持ってしまうわけです。
バットを短く持ってよい条件
バットを短く持つこと自体、悪いことではありません。問題は『バットを短く持って練習しているのか?』ということなんです。
速い球に対応する手段としてバットを短く持って練習し、自分なりにその効果を感じているなら全然問題ないんですよ。
そういった練習をしていないのに、ただバットを短く持っても簡単に打てるわけじゃありませんからね。
そもそも打者にとってバットは非常に重要な道具で、微妙な変化でも違和感を感じてしまうことが多い。
バットの形状や重さやグリップの形状、芯を食ったときの感触など、打者にとって好き嫌いがあります。
特にバットの長さなど、1cm変わるだけで全然印象の違ったバットに感じます。
ひとこと
ちなみに私が高校・大学のとき使っていたバットの長さは84cm。
不思議なもので83cmだと外角が届かない感じがしました。逆に85cmだと内角がさばけないイメージ。
たった1cmなんですけどね。
バットを短くも持つということは、グリップの形状の感触、バットの長さが変わることを意味します。
そのようなバットの持ち方で違和感なくバットを振ることができ、かつ速い球に対応できる自信があるなら、試合でバットを短く持っても良いでしょう。
それを練習もせず、違和感を感じつつバットを短く持っても、打てなくても当然でしょ。それを分かりながら、自分のベンチを納得させるだけのために、バットを短く持つことはナンセンスです。
練習で出来ないことは試合では出来ない
基本的なことですが、練習で出来ないことは試合では出来ません。
速い球に対応することも一緒。練習せず、付け焼刃のバッティングをやったところで打てる確率は下がって当然です。
普段の練習から速い球に対応する工夫と、やり方を試しておく必要があります。
・バットを短く持つ
・短いバットで打ってみる
・タイミングの取り方を変えてみる
方法は色々ありますが、選手はどれが自分にあっているのか考えて、試して、習得する必要があります。指導者はこういった練習環境を与えて、選手に考えさせる習慣をつけさせなければなりません。
そもそも超一流の打者ならいざ知らず、ほとんどの打者は『速い!』と感じる投手との対戦があるものです。
その準備をやることに損は全くありませんし、打撃技術向上のきっかけになることさえあるのですから。