私が高校2年の夏、突然イップスになってしまいました。レギュラー捕手だった私は突然の異変に戸惑い、思い通りに投げられない日々に苦悩します。
この記事ではイップスになった経緯を説明します。
イップスとは?
イップスとは、以下のことを言います。
精神的な原因などにより運動動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害
例えば、高い技術があるプロゴルファーが、素人でも簡単に入れられる簡単な短いパットを何回も外してしまうような症状です。
私は高校球児のときにイップスになりました。当時は『イップス』なんて言葉は知らなかったので、自分の変化に戸惑った記憶があります。
イップスになったきっかけ
私が高校1年の夏、センターからコンバートによりキャッチャーになりました。
そしてキャッチャーになり1年たった、高校2年の夏休みに突然イップスになりました。私は突然、ボールが投げられなくなったのです。
投げられないとは物理的に投げられない訳じゃなく、思った所へボールが投げられないという意味です。今でも鮮明にその日のことを覚えています。
そのときの状況を詳しく説明します。
雨の降る練習試合の出来事
夏休み中の練習試合。試合も終盤になり、降っていた小雨が強い雨に変わってきたところです。
グランドも濡れていますので、ピッチャーの投球がワンバウンドになるとボールは当然汚れます。そんなときは、キャッチャーが手やズボンでボールを拭いてから、ピッチャーに返球します。
そんな中、指が引っかかってしまい、私が投げたピッチャーへの返球がワンバウンドになってしまいました。
コラー!何やってるんだ!!!
とベンチの監督から怒号が。
でも、怒られても仕方がないプレーです。折角拭いたボールは再び汚れ、ピッチャーが拭く羽目になりますからね。
私は以後、気をつけるように心がけました。それも、絶対に文句をつけられないレベルに。
完璧な返球を目指した
それまで、私はピッチャーの胸を目掛けて返球するよう心がけていました。しかし、上記のプレーをきっかけに更に完璧な返球を目指したんです。
私のチームのユニフォームは、胸辺りに○×高校と漢字で刺繍がしてあったのですが、その中でも『高』の部分を狙うことにしたんですね。体の部位で言えば、投手の右胸に当たります。
何球か返球するうちに、なかなか『高』の部分に投げられていないことに気付きました。その付近には投げられるのですが、ピンポイントに投げられない。
そうこうしていると徐々に『高』どころか、大きく外れるようになってきたんです。違和感を感じながらプレーを続けましたが、その試合は終りました。幸い、この試合ではイップスの症状は出ませんでした。
しかし、この出来事が徐々に私のスローイングを蝕んでいきます。
次の試合でイップスの症状が表面化
その後の練習も特に変わったところなく、『あの違和感は何だったんだ?』という感じでした。
しかし、次の練習試合で影を潜めていたイップスが表れます。試合が始まると、前の試合で体験した変な違和感を思い出しました。
そして、徐々に心配になってきます。
今日は狙ったところへしっかり返球できるかなぁ・・・
そんなことを考えると、ピッチャーへの返球が暴投になるイメージが出来るんですよね。そして頭から離れない。
次には体が硬直して、自分の体と腕や手が別々の意思を持っている異様な感覚になりました。そうすると、普段のプレーでは考えられないスローイングになるんです。
ピッチャーの遥か頭上への暴投
ショートまでゴロになるような暴投
こんな、とんでもない返球をやってしまうようになってしまいました。
自分の状態が理解できない
とんでもない暴投を繰り返す私に対し、ベンチにいる監督は当然怒っています。
どうしようもない状況になり、私は混乱しました。何か体に異変があるんじゃないかと思ったほどです。
ただ、スローイングがおかしい状況の中、納得できないこともありました。
それは投手への返球以外のスローイングには異常がなかったことです。
ボール回しの際、ファーストやサードへのスローイング、盗塁を刺そうと二塁へのスローイングは至って普段通り体が動くのです。ますます、訳がわかりません・・・
以後、私は守備の能力向上を目指す前に、正体不明な敵である『イップス』と戦うことになります。この戦いは非常に辛く、困難な道でした。
・どのような苦労があったのか?
・イップスの症状はどうなったのか?
・イップスになった本当の理由は?
これらのことは以下の記事にまとめましたので、せひご覧ください。