この記事では、以下の状況での打球処理とカバーリングの動きを解説します。
ランナー1,2塁
ショートゴロ
6-4-3のダブルプレー狙い
【概要】ランナー1,2塁、ショートゴロ
ダブルプレイの絶好のチャンスですが、以下のことに注意する必要があります。
- 二塁ランナーがゴロを隠すように動き、ゴロ処理の邪魔をする
- 一塁送球のカバーリングが薄い
ショート正面のゴロなど、ダブルプレーの可能性が高い打球ほど、二塁ランナーがゴロ処理の邪魔をしようとします。
二塁ランナーは打球とショートの間で動きを止め、打球を見辛くすることによってショートのエラーを誘う方法です。
ルール上は問題ありませんので、ショートはそんな中でも対応せねばなりません。
また、以下の守備図に示すように、一塁送球のカバーリングが薄くなってしまいます。
ランナー一塁のショートゴロであれば、キャッチャーがカバーリングに向かいますが、1,2塁の場合は二塁ランナーがいるためにカバーリングに向かえません。
ライトも二塁送球のカバーリングに入りますので、一塁送球のカバーリングはどうしても薄くなります。
打球によっては、二塁送球のベースカバーにセンター、一塁送球のベースカバーにライトが入ることもできますが、全てに対応できる訳ではありません。
例えば、正面のショートゴロの場合。
センターはショートのエラーに備えることが先決ですので、そもそも二塁送球のカバーには入れません。
このとき、ライトが一塁送球のカバーリングに向かってしまうと、二塁送球のカバーリングが誰もいませんよね?
この状態で、ショートの二塁送球が悪送球になってしまうと、ボールは右中間を転々としてしまい、被害が拡大してしまいます。
これに対し、ライトが二塁送球のカバーリングに向かった場合、二塁ベースに入ったセカンドの一塁送球が悪送球になったとしても、最悪一塁フェンスまでしかボールは転がりません。
また、ゴロを捕球したショートが二塁へ送球する頻度と、ショートの送球を受け取ったセカンドが一塁へ送球する頻度を比べると、
ショートの送球頻度 > セカンドの送球頻度
になりますから、より頻度の高い方のカバーリングに向かった方が合理的です。
逆に言えば、一塁に送球するセカンドは悪送球にならないよう、明からに間に合わないタイミングだったり、体勢が悪くボールが投げ辛い場合などは『送球しない』選択肢を持つようにしましょう。
守備フォーメーション
各ポジションの動きはここからジャンプできます
ピッチャー キャッチャー ファースト セカンド サード ショート レフト センター ライトピッチャー
一塁側に移動し、一塁送球が悪送球になった場合やファーストのファンブルに備えましょう。
キャッチャー
送球すべき塁をジェスチャーと大きな声で指示します。本塁を空けることになるので、一塁送球のカバーリングに行く必要はありません。
また、ノーアウト1,2塁の場合では、たとえダブルプレーだったとしても、二塁ランナーは三塁に進塁しています。
このランナーが一気に本塁を狙ってくることもありますので、油断せず、三塁に進んだランナーの動きを確認しましょう。
ファースト
一塁送球に備え一塁ベースに入ります。
ボールを捕球したら必ず三塁に進んだランナーの動きを確認しましょう。
一塁がアウト・セーフに関わらず、三塁に進塁した二塁ランナーが一気に本塁突入することがありますので。
セカンド
二塁ベースに入り、二塁送球に備えます。二塁送球を捕球したら、素早く一塁に送球しましょう。
明からに間に合わないタイミングだったり、体勢が悪くボールが投げ辛い場合などは送球しないように。
この場合、一塁送球の偽投をして、三塁に進んだランナーの動き次第では三塁に送球してもOKです。
サード
三塁に進んだ二塁ランナーが飛び出すこともありますので、三塁送球に備えて三塁ベースに入ります。
ショート
打球を捕球し、二塁ベースカバーに入ったセカンドへ送球します。このとき、センター寄りにボールを投げてしまうと、セカンドの体勢が窮屈になり、一塁送球しづらくなりますので注意しましょう。
また、三遊間の深い打球など、二塁送球はおろか一塁送球も間に合わないケースもあります。
この場合、二塁ランナーが『三遊間を抜けるレフト前ヒット』だと判断し、三塁ベースをオーバーランすることがありますので、三塁へ送球することが効果的です。
サードが打球処理をしようと三塁ベースから離れたときなど、特に二塁ランナーはオーバーランしがちですので、そんなときはショートがゴロを捕球した勢いで、そのまま三塁ベースに向かいましょう。
この動き方は、以下の記事で詳しく解説しています。
レフト
打球が飛んだ瞬間はショートを抜ける打球かもしれませんし、ショートがエラーする可能性もありますから、まずは打球処理に対するカバーリングをします。
ショートが打球を捕球後は、三塁送球が発生したときのカバーリングに備えます。
センター
レフト同様、まずは打球処理に対するカバーリングをします。
ショートが打球を捕球後は、二塁送球が発生したときのカバーリングに備えます。
ライト
ショートの二塁送球が悪送球になった場合や、二塁ベースカバーに入ったセカンドがファンブルした場合に備えてカバーリングをします。
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